前回の復習
・どんくらいの時間ポジション持つつもりなのかも考えよう
短い順に、スキャルピング、デイトレ、スイングと呼ぶ。
特に巷でよく聞く「初心者はスイングが向いてる」というのは本当なんかという話をしたんで、そこだけでも読んどいたらよかろうよ。
【トレード裏入門】第4回 スキャルピング・デイトレ・スイング
さてさて、今回はかなり裏入門っぽい感じだと思う次第。
我ながら結構良い記事だと思いますが、いかがでしょうか!?
普通の入門モノに載ってたチャートパターン集、本当に使えてますか?
よくあるチャートパターン集の問題点
普通の入門モノ(表入門)にはよく色んなチャートパターンが書いてあると思いますたぬ。
ヘッドアンドショルダーズ、ダブルトップ、ウェッジ、なんとかトライアングルだのなんとか波動だのなんのかんのと。
それらに加えて、それらの上下を裏返したリバースなんらだとか、なんとかボトムだとか・・・
また、ネット上でもだいたい下の画像見たいな、こんな感じの模式図がたくさん転がってることでしょうよ。
環も表入門にはこういうのを貼っておりました。

問題点① 覚えることが多い
とにかくたくさん色んなものが載っていて、まず覚えるのが面倒くさいですね。
もちろん描くのはもっと面倒だったぬきですね。二度と書きたくないですたぬ。
問題点② そんなに勝てなくね?(環の主観です)
で、せっかく覚えたはいいんだが、それ本当に使えてますかって話ですよ。それで本当に勝ててんのかと。
チャートパターンなんていくらでも解釈できちゃうんで、「ブレイクパターンかと思いきやこう考えたらトレンド続行でもありうる。どっちやねんよ」と。
で、結局どっちでもなくてレンジで真横に動いたりするんだよな。
色々頑張ったが「ボックスレンジ」が正解でした。 pic.twitter.com/ebO5wYXPST
— 環 (@tanubitUT) October 27, 2020
・・・そして、さっきひっくり返したリバースなんたら〜みたいな話しましたが、それさえ疑わしいというのは裏入門第2回でお話しましたぬき。
【トレード裏入門】第2回 相場は基本的に上下非対称
「・・・結局なんだったんだあのパターンとかいうやつは!?くそいまいましい!焼き払え!」

・・・とか書くと、「パターンなんてそもそもないしテクニカルは無意味だ」って言いたい人みたいですが、まあまあそこは一旦保留にしましょうよ。
実際にそんな感じのことを言う人もいます。『ウォール街のランダムウォーカー』を読みましょう。
環がいいたかったのは、単に「必携チャートパターン!」への懐疑論です。
入門者にとってはまず覚えるのも面倒くさいし、それを過信してボコられて悲しい気持ちになることもあるんじゃね、というだけのこと。
要するにこうだ。
使えそうなチャートパターンは使えそうだぜ?と思ってるわけよ。シンジローみたいになりましたが。

・・・そんなわけで、今回、環がトレード時に頭をよぎりがちな幾つかのチャートパターンのうち、とりわけ重要でしかも見分けるのも簡単なパターンをご紹介いたします。
たった2つです。
表入門の表を見て欲しい。アレには22個もあったんだぜ?
2つで充分ですよ!わかってくださいよ!
ただ一応言っておきますが、聖杯(必勝パターン)ではないです。そんなもんあるんでしたら、こっそり教えてくれや。
聖杯の夢より電気羊の夢でも見ましょうや。
たった2つの冴えたやり方
必携① (環版の)ヘッドアンドショルダーズ(三尊)

「いきなり表入門とカブるやんけ!」
というツッコミがあられようよ。
何か言い訳はあんのか!?!?!
ないですね。
かぶりますね〜これは!
・・・いやでも、先の22個のうち1個だけに絞ったということで、だいぶ節約ですよ!
でもこれだけじゃ幾ら何でも大して裏入門らしくねえな〜。
といわけで、もう少しお話を続けますたぬ。
環版では三尊だと解釈する基準は価格チャートの形・・・ではない!
普通の表入門では、「最後の山が高値を切り下げてる」とか、「最後の山を作る前にネックラインを少し割ってる」とかそういうような、価格チャート上の基準で語られていると思います。
裏入門では違います。
裏入門で重視するのは出来高たぬ。
見た方が早い。下の画像ですたぬ。
一目でわかる三尊の見分け方

見分け方は単純です。
- 三尊みたいな天井っぽいような形を感じる。
- 高値をつけるときの出来高を比べる。
出来高がだんだん減ってきている。戻り高値に向かって出来高を下げ続けている。 - ネックラインぽいところをブレイクしたっぽいところで出来高がめっちゃ増える。
このときブレイクはローソク足でかいこと。
出来高なしに三尊だと考えることはできないというのが環の考えですたぬ。
ぽいぽいってわざと曖昧な言い方をしてるのは、「価格チャートだけ見てもわからんので「ぽい」に留まる」ということをあえて強調するためですたぬ。
出来高はなんか難しそうで、できればなし済ませたいという気持ちもわかりますが、勝つためには頑張りも大事ですよ!

だから環版では別に形は三尊になってなくてもいい
重要なのは「厳密に三尊であるかどうか」ではなくて、「その後価格は上に伸び続けんのか否か」ということでしょうよ。
したがって、普通「トリプルトップ」とか言われるような高値が同水準であったり、あるいは切り上げていても環は上述のような見方で応じております。
出来高が今言ったような推移になっているなら基本は同じだと思っております。
例をみようそうしよう
過去の記事からいくつか例を使いまわしておきましょう。
例1 日経2014年正月あたりの日足

例2 ダウ先物ミニ2007年日足 (トリプルトップ風)

左側だけみてください。
例3 SPX9月24日 (凸型)

山なりが地味な例です。山というより、凸みたいな形ですね。
似たようなやつでもっと不自然な形としては日経7月28日のこの辺りも・・

超重要!逆三尊は三尊と同じように考えてはいけない
最後に超重要なことですが、逆三尊は以上のような三尊の解釈を上下逆にしただけ・・・
ではありません!
理由は簡単で、出来高の推移の仕方がたいてい全然違うから。
さっき左側だけみてくださいといった画像ですが、今回は左右比べてみてくださいたぬ。

これの何が注目すべきかわからない方は、第2回の記事で比較しているので、そちらをご覧くださいたぬ。
【トレード裏入門】第2回 相場は基本的に上下非対称
・・・したがって環的には、逆三尊は三尊とは全く別物ですたぬ。
逆三尊を見抜くことの方がはるかに難易度が高いと思います。
必携② ポゴスティック(いわゆるおじいちゃんチャート)
「ポゴスティックなんて聞いたこともないしおじいちゃんって誰だよ!」と思われるかもしれません。
おじいちゃんはダライ◯マ氏です
このパターン、普通の入門書にはほとんど書いていないんじゃないかと思いますたぬ。
書いてないんだが、わかりやすいし頻出です。
どんな形かはやはり見た方が早いっすね。
一目でわかるポゴスティック

- 暴落が始まった。暴落中、出来高が増えていく。
- 下にグッと走り最大(級)の出来高を付け急速に反発する(ポゴスティック形成)
- 出来高が最大から減りチンタラと揉む
- (その後上昇し全戻し、さらに上抜くかそこで垂れるか・・・)
・・・という感じで、こちらはさっきの三尊よりも初動での対応が重要になりますね。
ポゴスティックというのはぴょんぴょん跳ねる竹馬のアメリカ版のおもちゃのことらしいです。
チャートの形的には、急速に下に振ってそこから急反発する動きです。
ここでも重要なのは出来高。
最後の急落の後、最大級の出来高でめっちゃ激しく反発するということです。
いわゆるセリクラ(セリングクライマックス)を取ってやろうというのがこのポゴスティックパターンなわけですね。
出来高の伴っていない反発っぽそうな値動きというだけでは、落ちてくるナイフを掴むというやつの可能性がより高いんじゃね?となるので、出来高を大事にしましょうたぬ。
おじいちゃんについて、詳しくはこちらご覧ください
【おじいちゃんチャート】(PART1) 基礎編
例をみようそうしよう
例1 ダウ 3月コロナ底

例2 ダウ2月20日

例3 ゴールド 7月29日

やはり注意!これは底打ちにしか使えず天井での挙動とは違うでしょうね!
これもさっきと同様、基本的には上下ひっくり返して使えるものではございません。
底作りの場面でポゴスティックを伴うのは頻繁に見ますが、天井は薄商いでダレることが多いと思いますたぬ。
例えばコロナ前、史上最高値を更新したりしていたつよつよのダウはこんな感じで天井になっておりました。

ご覧の通り、2月の頭から最高値圏で出来高を減らしていたことが見て取れようよ。
注意!チャートパターンだけわかってもな!
「よしこの二つは覚えたぜよかったよかった・・・」
というわけでもないということに注意して欲しいたぬ。
よくよく読んで欲しいが、どのタイミングでエントリーする(ポジションを持つ)かに言及していませんたぬね。いわんやイグジット(利確・損切り)するかをや。
三尊もおじいちゃんも基本的には逆張りです。
ですので、とりわけ損切りの設定はとても重要になるはずです。
「じゃそれも書いておけよ!」という話なんですが、敢えて書かなかったのは・・・
- 今回はより長期的なトレンド、上位足の動きについて度外視している
- トレーダーによって基本的な戦略・戦術が違う
ナドナドということのため、一概に「これが入門者向け!」ということもいえなかろうよと思ったからです。
例えば環自身は、エントリーに関しては天井か底のヒゲを掴むということを心がけております。
でもこれは迅速な損切りありきで、人によって向き不向きがあると思いますたぬ。
それに、やりたての初心者がヒゲをつかもうとするのもあんまりうまくいかないと思いますたぬ。
より安定を取るなら、なんらかのラインを「ブレイクしたら入る」とかもよく言われますが、実際にはダマシ(見せかけ)も非常に多く、特に銘柄や時期、時間足によっては下方ブレイクで入っても速攻で上更新されたりなんてのも良くあるんじゃねと思う。
例えば環がよく見る銘柄の一つである、ダウなんかでは下方ブレイクで乗っかっていい時とそうじゃないときの見極めはとても大切で、だいたいの場合は乗っちゃまずそうな感じという印象がありますね。
ダウについては第2回で相場の反重力ということをお話いたしましたぬき。そちらもご覧くださいませ。
【トレード裏入門】第2回 相場は基本的に上下非対称
あと、環がヒゲで掴むのは損切り幅を小さくしたいからで、負け方を考慮した上での話というわけですね。
ブレイクに乗っかった場合、もしダマシだったら高値更新・安値更新まで耐えると結構な損失が出てしまうんでして。
でも人によっては明白にブレイクしないと気持ち悪いというのもあろうよ。
そのようなわけで、以上のチャートパターンをどう生かすのかは自分で試行錯誤して欲しい次第ですね。
次回: 立会時間
【トレード裏入門】第6回 立会時間: FXや先物で「NY時間は怖い」「初心者へのオススメは東京時間」は本当か