前回の復習
要するに・・・
・チャートパターンは2つで十分ですよ!
タイトルのまんまでござんすね。
【トレード裏入門】第5回 チャートパターン、2つで充分ですよ!
今回はまた違った話を致しましょう。
各国・各地域の立会時間の基本
FXや先物などをやる際に気をつけるべき基本的なことはいくつかありますたぬ。
そのうちの1つが今回のテーマ。それは・・・
「地球は丸い」
ということです。
「舐めてんのかたぬき野郎!」といいたいところでしょうが、なんてことはねえ。
要は、時差があるってことですたぬ。
ここで時差を取り上げるのは、各国の立会時間(市場開場時間)は日本からみると夕方や夜中であったりするということ。
時間帯によって相場の感じに違いがあろうよ
ということですたぬ。
なお「立会」は英語で”trading session”といいます。検索するときにお使いください。

「FXは24時間取引できるから開場時間など関係ない」・・・なんてことはない
先回りしていっておきますが、FXや先物は平日は24時間取引可能です。
しかし、それでも開場中とそれ以外の時間では相場は顕著な違い(後述)がありますたぬ。
考えてもみりゃ、巨大な資金を動かす銀行、ファンドや証券会社はゆっても会社。だから、その地域の普通の人が働いているような時間に取引します。
最近(といっても何年も前からですが)では中央銀行が株をめっちゃ買うという、資本主義史上に残ると思われる現象が見られますが、そんなお役所だって夜中には活動できませんわな。
そんなわけで、基本的には市場が開いてる時間の方が出来高が大きく、値動きも激しいということになりますたぬ。
なんで、「いま当該銘柄の本国にとって開場時間か否か」を意識することはとても大事なことなんですね。
要約: その銘柄が今イキイキできる時間なのか考えましょう

各国の立会時間(開場時間)
立会時間を日本時間で書くと、以下のようになっております。
東京時間(アジア時間): 9時-15時
ロンドン時間(欧州時間): 夏は16時-12時半、冬は17時-1時半
NY時間(アメリカ東部時間): 夏は22時半-5時、冬は23時半-6時
夏・冬というのはサマータイム期間かそれ以外か、ということですたぬ。
これらの時間は各証券取引所の立会時間です。
他のサイトでは、例えば「ニューヨーク時間は夜10時から6時頃」というようないま書いたのと少し違う説明があると思いますが、夏冬時間の違いを省略していたり、あるいは経済指標発表が開場前にあってその時間も値動きが活発化するということで、そうした記述にしているのではないかと思われますたぬ。
なので、今環が書いたやつの前後1時間くらいが「広義のナントカ時間」という気持ちでいいかも知れません。特にFXではそうかもしれません。
ただ、環は株価指数をメインにしておりますので、各証券取引所の開場(「寄り付き」と申します)の時間ピッタリを大事にしておりますたぬ。
あとでお見せしますように、指数CFD・先物は、寄り付きの動きが一目でわかるくらいはっきり違います。
環はとりわけ米株指数を主軸にしていることが多いので、NY寄り付きはしばしば叫んでおります。
よりつき〜
— 環 (@tanubitUT) December 24, 2020
たぬきにクリスマスなどねえ。
基本的にはその国の銘柄はその国の時間に
さっきちょっと言ったように、株価指数はとりわけ顕著だと思うなんで、こちらの例で貼っておきましょう。
(例1)ドイツ指数 DAX (GER30) ならユーロ時間に

ローソク足のところの、緑の網がけがユーロ時間ですたぬ。
ご覧の通り、各緑の網がけのはじまりのころ=寄り付きは値動きが激しいですね。
ただ、値動きは状況によってまちまちではあろうよ。
もっと傾向的に顕著なのは出来高(2段目のヒストグラム)ですたぬ。
寄り付きの出来高は顕著に大きくなるのが基本ですたぬ。引け(閉場)の頃も、寄り付きほどではないが大きくなるのが基本ですね。ポジションを手仕舞うからですね。
出来高の移動平均線を見ても、それらの時間は山を作ってるのはわかると思います。次第。
(例2) アメリカ指数 SPX (US500)ならNY時間に

こちらも見て欲しいところは同様です。説明は割愛しますたぬ。
このような感じで、先物やCFDは24時間取引可能とはいえ、しかし開場中か否かを考えることは大事なことだといえるわけです。
立会時間を表示できるインジゲーターをチャートに出しとくと便利
「開場時間が大事ということはわかったが確認が面倒くさい気がする」というたぬきもおられましょう。
今何時かは時計を読めるならすぐ確認できるとしても、過去のチャート見て、何時頃にどういう動きだったのかを数字を追いながら振り返るのは確かに面倒くせえ。
それなら、インジゲーターでチャート上に表示しておきましょうよ、というのがたぬきそりゅ〜しょん。
Trading Viewで“time ranges”と検索するといくつか出てきますたぬ。
環が使ってる“time ranges”インジの使い方
環はvitelotさんという方が公開してくださっているものを使っております。
このような感じ。

以下、特徴と設定方法を書いておきますたぬ。
① 時間帯(タイムレンジ)を最大5つまで指定して表示可能
環は3つしか出してませんが、これらに加えてオセアニア時間なども指定できるのでオーストラリアドルなどを取引したい方には嬉しいかもですね。

この「〜session」というのが「〜時間」ということですが、名前はただのラベルでして、実際には自分で設定したように表示される次第です。
その設定は「パラメーター」タブで行いますたぬ。

注意点としましては、ご覧の通りここに打ち込む時間が日本時間(GMT+9)基準ではない、ということです。
そしてブローカーによって基準時間が違うので、違うブローカーでのチャートに同じ設定のこいつを表示するとズレるたぬ。
環の上の設定はFXCMではぴったり合いますが、それ以外ではズレるのでそのまま打ち込んでもお使いのチャートによってはズレると思いますたぬ。各自で調整ください。(なおフランクフルトとシドニーは設定してないのでテキトー数値です)
色分けは、「スタイル」タブから対応する時間帯毎に行えますたぬ。
環の色分けはさっき書いた通り、つまり、

アジア赤、ユーロ緑、アメリカ青です。
② サマータイム期間開始・終了は自動で反映
なんで、一々いじる必要はない。
③ 同時に曜日もマーク表示できる
これも過去チャートを振り返る際に大変重宝しますたぬ。
「パラメーター」タブの、一番下”show day of week”にチェックを入れて、

「スタイル」の下半分で色を設定する。

色使いは日本語の「月火水木金」のイメージに対応しております(月だけ思いつかなかったのでテキトーですが)
なおこちら、TradingView記事でも紹介しております。
色使いおよびメイン使いの全てのインジゲーターの紹介は当該記事をご覧くださいませ、
【Trading View】 環的な使い方と現在使用インジゲーター
「NY時間は怖い」「初心者におすすめなのは東京時間」は本当か
入門書やブログ、youtubeなどでこのようなことが言われていることがあると思いますたぬ。
曰く、「NY時間は怖い」「東京時間が初心者向け」…
どうなんでしょうかということで、以下検討です。
① 何時間がどうかは銘柄によるべ
初心者はそう聞いて、「は〜んそうなんすか〜」となるかもですが、これまでこの記事を読んでくれた裏初心者はまず気付くかもしれません。
まあ銘柄によるべ。と。
基本的には当該銘柄の母国の時間がイチバンイキイキしているので、例えばSPXをやりたいけどNYは怖いらしいから東証後場(日本時間12時半-15時)にやるか!という気持ちにはあまりならんでしょうよ。

水色の丸がNY時間、ピンクがアジア時間です。一目瞭然で、明らかにNY時間の方が値動きも出来高もあり、トレードに適してると思われますね。
② 「値動きが激しい(ボラがある)=怖いからやめとておくべき」ではない
こちらの方がより重要なことですが、必ずしも「値動きが激しい=怖いからやめておくべき」というわけではないですたぬ。
もちろん度を越してボラがあったり、値動きが全然掴めない変態的な動きをしているようなときは「怖い」に該当しましょうよ。
しかし、よくよく考えて欲しいんですが、逆に値動きがほとんどなかったら全然利益にもならないわけですね。
そして、スプレッドや手数料を考えますと、ずっと値動きがない場合、その間ずっとスプレッドや手数料を払い損なわけですたぬ。
すると、スキャルピングやデイトレのような短期トレードでは利益が出せない次第ですね。
じゃスイングや中長期的なトレードならどうかということですが、長く持つならそもそもあまり目先の値動きの激しさは関係ないです。
【トレード裏入門】第4回 スキャルピング・デイトレ・スイング
というわけで、いずれにしましても、値動きの激しさは必ずしも怖いから見送ろうという話ではないわけですたぬ。
むしろ短期トレードの場合、値動きはある程度激しさがないと(=ボラがないと)利益が出ないどころかスプレッド分損して終わる( =スプレッド負けする)ので、何もしない方がマシかもしれません。
要約: 短期トレードをしたい方は、むしろボラがある銘柄のボラがある時間帯を選んだ方がよかろうよ。
例1 ドル円(USDJPY)のアジア時間・NY時間
すでに第3回でお話したことですが、「ドル円は実は初心者向けではない」といいのもこのあたりの事情がありますたぬ。

こういう感じで、寄り付きに20pipsくらい動く以外は概して横に動く、みたいなボラのなさ。ギザギザするばかりでトレンドもなく、せっかく覚えたテクニカル分析の適用の仕方がよくわからない動き。
初心者向けではなかろうよ。
【トレード裏入門】第3回 銘柄選びで既に勝負ははじまっている
例2 SPX500のNY時間
ダウやSPXのNY時間での短期トレードは、ボラの激しさから、初心者が嫌厭する代表的なものかもしれません。
例えばこのような感じ。秒足ですたぬ。

「わずか1時間ほどで30ドル以上の上下!これは難しい!」
・・・という気持ちにもなろうよです。実際変態的な動きだと思いました。
じゃ〜見送りか、というと、しかし待たれ。
結局、赤いトレンドラインにサポートされ、再度上昇しておりますね。
というわけでこちら、そのサポートラインで環が実際にロングした例となりますたぬ。
2020年9月25日 SPXスキャ全勝
「いやこんなもんたまたまやろ!」という気持ちもわかりますが、ずっと観察していると、ダウやSPXではこのような動き、結構あります。
このようなわけでして、例えばスキャルピング〜デイトレで稼ぎたいと思ったとき、先に見た値動きのおとなしいドル円よりも、一見えげつない値動きをするSPXやダウの方がむしろ「怖くない」と環は感じますたぬ。
③ 本当に東京時間はわかりやすい動きなのか
じゃ東京時間はわかりやすく、入門者でも安全なのかというと、それも怪しいと思いますたぬ。
例1 日経225先物期近
東京時間の固有銘柄ちゅうたら日経が代表的じゃねということで、こちら見て見ましょう。

こちら最近の日経先物(円建て・大証)ですが、赤い網がけが東証立会時間ですたぬ。
確かに、出来高も値動きも場中で〜というこれまで見てきたことからそれほど変なことはないんですが、よ〜く見ると果たしてどうでしょうか。
・・・引け頃、あるいは引け直後に急激な値動きありがちな感じが気になりますたぬ。
また月曜は別として、寄り付き直後の値動きもダウやDAXなど外国の主要指数と比べて緩慢な気がします。
呼値が10円刻みであるなど、日経先物独特の仕様も相まって、他のやつと同じような感覚でトレードするには違和感があります(環の主観です)
それから、このことは極めて重要だと思うので逆に迂闊なことはかけないですが、なんといっても東証時間の株といえば日銀や年金機構が機械的に資金を投入してくる。
そういうこともあってか、独特の歪み方を感じます次第です。
・・・以上の諸々より、これもあまり初心者向けではないのではないかという気がします。たぬ。
例2 ドル円(USDJPY)
先ほどニューヨーク時間の方でも登場いただいたドル円。
こちら印象レベルの話で恐縮ですが、やはり東京時間だからといってイキイキしている印象はあまりありませんたぬ。

東京時間としては、寄り付きよりもむしろ引け前後に荒れるという印象がありますたぬ。
上に貼ったチャートの値動きも、東京時間寄り付きよりもNY寄り付きの方が目立つ気がします。それから、結構ユーロ時間に動いているように見えます。
環的には東京時間は独特で、むしろやりにくい
というわけでして、環としましては、そんなに東京時間が安心してやれるような銘柄思いつかない次第ですたぬ。個別株とかはもちろん別の話ですが。
むしろ独特の動き方がやりにくいですたぬ。
一応補足的に申しておきますと、アジア時間は別に東京だけのものではないです。
特に近年は中国市場を無視することはできないと思いますたぬ。
例えば、環がよくやる銘柄としましては、ゴールド(XAUUSD)のアジア時間の動きは、日本というよりも中国のマーケットが鍵を握っているんではなかろ〜かという気がします。たぬ。
まとめ: 自分が何をしたいか考えて時間を選ぶしかあるまいて
以上踏まえまして、「じゃ初心者はどうすりゃいいんや」ということですが・・・
自分が何をしたいか考えて時間を選ぶしかあるまいて。
とりあえずいえそうなのは、「初心者、NYダメ、東京時間アンゼン」というわけではないんじゃねということだと思います。次第だな!
今までとにかくNYはヤバイそうだ、東京時間の方がいいらしいとか、思ってむやみに消耗していた方は、一度フラットになって自分のやりたい銘柄のチャートを見直してみるとよかろうよ。
以上、第6回でしたぬき。
次回???